女性の体に優しい処方「漢方」なら生理痛もニキビも?

あくまで先生個人の感想であり効果効能を保証するものではありません。

“漢方”といえば、どのようなイメージがありますか? 街中の小さな薬局で、おじいさんが作っている……といった謎に包まれた印 … 続きを読む 女性の体に優しい処方「漢方」なら生理痛もニキビも?

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“漢方”といえば、どのようなイメージがありますか? 街中の小さな薬局で、おじいさんが作っている……といった謎に包まれた印象がある方も少なくないのでは。

まだあまりその魅力が伝わりきれていない漢方ですが、生理痛に悩まされている女性たちに愛用されていたり、とっても優しい薬なんですよ。

今回は、薬剤師であり、国際中医師また薬膳師として薬膳鍋『kampo’s』をプロデュースしている山口りりこ先生に取材しました。

漢方の魅力についてたっぷり解説していますよ!

日本の伝統医学「漢方」の魅力とは?

「みなさんは日本の伝統医学をご存知ですか? 実は、“漢方”こそが、日本の伝統医学なんですよ!

もちろん歴史の長い中国が起源になっていますが、5〜6世紀頃に日本に伝わり、日本の風土や気候、日本人の体質に合わせて独自の発展をとげたものを漢方とよびます。(中国の医学では“中医学”といいます)」

――漢方といえば、中国なイメージがありましたが、日本の伝統医学だったなんて、驚きました!

「勘違いしている方が多いのが漢方の現状です。

『西洋医学は森の中の木をみる、漢方医学は木ではなく森を見る』とも言われています。西洋医学は病気自体をみることに、漢方医学は身体全体の体質をみることに長けています。

そんな漢方の全体を捉える考え方が素敵ですよね。漢方が得意なのは、病気になってしまう体質そのものの改善にあります。

例えば、病気を悪いことだと決めつけず、体が弱っているサインだと考え、どうすれば改善するのかを考えていくんですよ」

西洋医学とは違う、全体を捉える漢方だからこそできる体質改善は魅力的ですね。山口先生は次のように続けます。

「人の体も自然の一部なので、季節や気候などによって変化します。自然界に合わせて生きることの大切さを感じています。

そこで出会った漢方は、足りないものは補うし、詰まってしまっているものは流す。こうして体内のバランスを良くすることこそ、健康へと繋がっていくでしょう」

それでは実際にいくつか例をあげながら、漢方でできるアプローチをご紹介しましょう!

漢方のプロ!国際中医師が教える体質改善メソッド3つ

(1)生理痛

一言で“生理痛”といっても、全てが同じ原因というわけではありません。生理痛になる体質には、ストレスが関係していたり、冷えだったり、人それぞれ違いますよね。

また、痛みには大きく分けて2種類の考え方があり、身体の気や血の巡りが悪いとつまって痛むのを不通則痛(ふつうそくつう)、そして身体に気血の栄養がないと足りずに痛むのが不営則痛(ふえいそくつう)です。

それぞれ症状によって処方する漢方は変わってきますが、今回は例にキリキリ刺すような強い痛みのある生理痛の場合をご紹介しましょう。

これは、血の巡りが悪い理由が考えられるので、血の巡りをよくする代表処方である桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)がオススメです。

(2)ニキビ

あまり知られていなようですが、ニキビに関しても漢方でアプローチすることができるんですよ。ニキビの場合ですと、ホルモンバランスの乱れからきているのか、血の流れからきているのか……原因は様々。

具体的には、赤みのあるニキビは“体の熱を出そうとしている”サインでもあります。熱がこもっていると、乾きに繋がります。潤いを与え、熱をとらないといけません。なので、こういったニキビには熱をとる処方が効果的です。

反対に、白ニキビは体内の水が滞ってしまっている状態。なので、排毒を意識し、膿を出していくような処方が好ましいでしょう。ハトムギの種子であるヨクイニンがおすすめです。

(3)風邪

漢方では主に風邪の原因を外因と内因の2つに分けて考えています。外因とは、外から体に入る邪気のことで、風・寒・暑・湿・燥・火(熱)の6つがあります。風邪(ふうじゃ)もそのひとつ。さらに内因は、体質や精神的ストレスなどが原因のものを言い、今回は外因に限って説明しましょう。

症状として、ゾクゾクする寒気や頭痛、透明な鼻水、関節の痛みなど一般的にいう風邪の初期症状が見られる場合には、葛根湯がオススメ。

ちなみに葛根湯は風邪専用薬ではないんですよ。風寒邪(ふうかんじゃ)を良くするため、肩こりや蕁麻疹にも使いますね。寒い時に肩こり、頭痛がひどい方にもオススメの漢方です。

 

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「西洋医学は1種類の成分にフォーカスして、処方しますよね。それに比べ、漢方には基本的に数種類の生薬が含まれています。この植物の全部を使うことが良いんです。

先ほども説明したように、同じ血流が悪いという方でも、薬が合う、合わないということがありますよね。漢方には1000年を優に超えるデータが蓄積されているからこそ、そのオーダーがやり易くなっています。

まずは2週間〜1ヶ月処方した漢方を試してみて、体調・体質の変化をみて、その方に合わせた漢方薬をチョイスします」

普段の生活習慣も良く、睡眠も良くとれているような方だと効果は出やすいそう。反対に生活習慣が乱れている方の場合、効果が出るのには時間がかかりますね……。だからこそ山口先生は患者様とのカウンセリングに1回1時間以上の時間をかけるそう。

「患者様が日頃どういった生活を送っているのか、そういう背景もとても重要な情報になってきます。西洋医学での薬とは違った視点からも考えられる予防医学に近い考え方の漢方だからこそ、もっと広い視野で患者様のことを考えていきたいです」

もし漢方を使いたいときは、漢方の取り扱いのある店舗を訪れ、専門家に相談することが良いと話す山口先生。最近ではドラッグストアでも気軽に漢方を購入することができるようになりましたが、説明書きをよく読んだり、薬剤師へ相談してくださいね。

こちらは、山口りりこ先生が監修し2018年9月より出版となった『月美容手帳2019』です。

「忙しい女性たちへ贈る1冊となっています。都会はあまり自然がないので、自然を意識しにくいですよね。

けれど、“月”はどこでも見えます。毎日変化する月の様子に、自分の体調の“今”をシンクロさせて欲しい。

人間も自然の一部であるということを忘れないように……そんな思いで書き上げました」

月の満ち欠けに自分の体をシンクロさせ、改めて体調のことを気遣ってみてはいかがでしょうか?

先生の体験による成功例の紹介であり、効果効能を保証するものではありません。

山口りりこ先生

▶ 漢方薬剤師による健康・美容のつくり方
プロフィール:
星薬科大学 薬学部 卒業
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